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2025年11月7日
宗派別!念珠(数珠)の種類と選び方、正しい使い方

「念珠(数珠)って、色々な種類があるけど、一体どれを選べばいいの?」
お葬式や法事の際に欠かせない念珠(数珠)。いざ購入しようと思っても、宗派によって形が違ったり、様々な素材や種類があったりして、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、各宗派の念珠の特徴から、選び方、正しい使い方まで、写真付きで分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたにぴったりの念珠が見つかり、冠婚葬祭の場で自信を持って振る舞えるようになります。
1. 念珠(数珠)とは?
念珠(数珠)は、仏教徒にとって葬儀や法事といった大切な場面で用いられる、なくてはならない法具です。単なるアクセサリーではなく、祈りを捧げる際の精神的な支えとなり、故人への敬意や自身の心の浄化といった深い意味を持っています。この記事では、念珠の基本的な定義とその役割について解説し、読者の皆様が念珠への理解を深められるよう、分かりやすくご案内いたします。
1-1. 念珠の基本的な定義と役割
念珠は、仏教において「数珠」とも呼ばれ、仏様やご先祖様への感謝の念を表し、祈りを捧げる際に用いられる法具です。その起源は古く、仏教の伝来とともに日本にもたらされました。一つ一つの玉(珠)は、煩悩の数や仏様の数などを表しているとされており、念珠を繰る(持つ)ことで、心静かに自己を見つめ直し、煩悩を払い、功徳を積むことができると信じられています。
葬儀や法事といった仏事の場では、参列者が念珠を手に持つことで、故人への弔意を表し、共に祈りを捧げる一体感を生み出します。また、在家信徒が日常的にお参りをする際にも、念珠は心の拠り所となり、仏様との繋がりを感じさせてくれる存在です。宗派によって念珠の形状や数珠の玉の数、素材などに違いが見られることもありますが、その本質的な役割は、心を清め、仏縁を結ぶことにあります。この記事では、この念珠の基本的な定義から、その奥深い役割までを掘り下げていきます。
2. 宗派別の念珠(数珠)の特徴
仏教の各宗派では、それぞれ独自の教義や信仰のあり方を反映した念珠(数珠)が用いられています。念珠は単なる数珠ではなく、仏様やご先祖様との繋がりを深めるための大切な法具です。ここでは、主要な宗派ごとに念珠の形状、玉の数、素材、房の色といった特徴を解説し、それぞれの違いを理解することで、より深く念珠に親しんでいただけるようにご紹介します。
2-1. 天台宗の念珠
天台宗で用いられる念珠は、一般的に主玉が108個で構成されることが多く、これは人間の煩悩の数に由来すると言われています。形状は他の多くの宗派と同様に、数珠状ですが、宗派によっては特に装飾が施されたものや、特定の素材が好まれる傾向があります。房の色については、決まった色があるわけではありませんが、一般的には落ち着いた色合いが選ばれることが多いです。
2-2. 真言宗の念珠
真言宗の念珠も、主玉が108個であることが基本です。特徴としては、親玉(おやだま)に装飾が施されている場合や、房の形状にこだわりが見られることがあります。素材としては、黒檀や栴檀(せんだん)などの木製のものや、水晶、瑪瑙(めのう)などが用いられます。房の色は、一般的に茶色や紫、金茶色などが用いられることが多いです。
2-3. 浄土宗の念珠
浄土宗の念珠も108個の主玉を持つものが一般的です。浄土宗では、阿弥陀如来への信仰を深めるために念珠が用いられるため、比較的シンプルなデザインが好まれる傾向があります。素材は木製のものから、石材まで幅広く、房の色も紫、茶色、金茶色など、多様な色が用いられます。
2-4. 浄土真宗の念珠
浄土真宗の念珠は、他の宗派と異なり、主玉の数が108個ではない場合が多いのが特徴です。特に、門徒式(もんとしき)で用いられる念珠は、主玉が22個、親玉が3個、四天(してん)または四天珠(してんじゅ)が4個で合計29個という構成のものがあります。これは、阿弥陀如来の「四十八願(しじゅうはちがん)」に由来するとされています。素材は黒檀や紫檀、栴檀などが一般的で、房の色は茶色や紫、金茶色などがよく見られます。
2-5. 曹洞宗の念珠
曹洞宗の念珠も、一般的には主玉108個のものが用いられます。曹洞宗では「只管打坐(しかんたざ)」という坐禅を重視するため、念珠もシンプルで機能的なものが好まれる傾向があります。素材は木製のものが多いですが、水晶なども使用されます。房の色は、茶色、紫、緑などが一般的です。
2-6. 臨済宗の念珠
臨済宗の念珠も、主玉108個のものが基本です。禅宗の一派として、質実剛健な精神を反映し、素材は木製(黒檀、紫檀など)や、水晶、瑪瑙などが用いられます。房の色は、茶色、紫、金茶色など、落ち着いた色が一般的です。
2-7. 日蓮宗の念珠
日蓮宗の念珠は、主玉が108個で、房が6つ(三つ組房)付いているのが特徴的です。これは、法華経の「六老師(ろくろうし)」に由来すると言われています。素材は木製のものが多いですが、水晶なども用いられます。房の色は、青色、紫、茶色、金茶色など、宗派によっては特徴的な色が用いられることもあります。
3. 略式念珠と本式念珠の違い
本式念珠(正式数珠)と略式念珠(一般数珠)は、その目的や構造においていくつかの違いがあります。どちらを選ぶべきか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれの特徴を理解することで、ご自身に合った数珠を選ぶことができます。
本式念珠と略式念珠の主な違い
| 項目 | 本式念珠 | 略式念珠 |
|---|---|---|
| 定義 | 仏教の宗派で定められた正式な数珠 | 宗派を問わず、一般的に使用される数珠 |
| 形状 | 房の数や形状、玉の並び方が宗派により決まる | 比較的自由な形状で、房も一〜二つが多い |
| 玉の数 | 108玉が一般的(宗派により異なる場合あり) | 54玉、27玉、18玉など様々 |
| 使用場面 | 法要、葬儀など、宗派を重んじる場面 | 日常的なお参り、法事、葬儀など、幅広く使用可能 |
| メリット | 宗派への敬意を示せる、正式な場にふさわしい | 入手しやすく、扱いやすい、場面を選ばない |
| デメリット | 宗派が不明な場合や、複数宗派を扱う場合は不向き | 正式な儀式では、本式念珠が推奨される場合がある |
どちらを選ぶべきか
数珠を選ぶ際は、まずご自身の信仰されている宗派を確認することが重要です。特定の宗派に深く帰依されている場合は、その宗派の正式な数珠である本式念珠を選ぶと良いでしょう。
一方、特定の宗派にこだわらず、日常のお参りや様々な場面で気軽に使うことを想定している場合は、宗派を問わず使用できる略式念珠が適しています。略式念珠はデザインも豊富で、ご自身の好みや服装に合わせて選びやすいという利点もあります。
法事や葬儀など、故人を偲ぶ大切な場面では、どちらの数珠であっても心を込めて使用することが最も大切ですが、場面や状況に応じて適切な数珠を選ぶことで、より敬意を表すことができるでしょう.
4. 念珠(数珠)の選び方
念珠には様々な種類があり、どれを選べば良いか迷ってしまう方も少なくありません。また、ご自身の宗派に合った念珠を選びたいというニーズも多く聞かれます。ここでは、念珠を選ぶ際に役立つ具体的なポイントを、宗派、素材、玉の数、デザインという4つの観点から詳しく解説します。これらの情報を参考に、あなたにぴったりの一珠を見つけるお手伝いができれば幸いです。
4-1. 宗派で選ぶ
念珠は、仏教の宗派によって形状や数珠玉の数、飾り方に特徴がある場合があります。例えば、浄土真宗では「六文銭」と呼ばれる飾りがある念珠が用いられることがありますし、日蓮宗では「尺六」と呼ばれる数珠が一般的です。ただし、現代では宗派を厳密に区別せず、どの宗派でも使用できる「略式念珠」を選ぶ方も増えています。まずはご自身の信仰する宗派のしきたりを確認し、それに合ったものを選ぶのが基本ですが、迷った場合は、より汎用性の高い略式念珠を選ぶのも一つの方法です。
4-2. 素材で選ぶ
念珠の素材は、その見た目の美しさだけでなく、持つ人の心に与える影響や、経年変化による味わいも魅力です。古くから親しまれている木製念珠は、温かみのある手触りと自然な風合いが特徴で、紫檀(したん)や黒檀(こくたん)、栴檀(せんだん)などが代表的です。石製の念珠は、水晶、瑪瑙(めのう)、虎目石(とらめいし)など、天然石の持つ神秘的な輝きや色合いが楽しめます。金属製は、真鍮や銀などで作られることがあり、落ち着いた輝きが特徴です。それぞれの素材には、魔除けや精神安定などの意味合いが込められていることもありますので、ご自身の好みや願いに合わせて選んでみてください。
4-3. 玉の数で選ぶ
念珠の玉の数は、その形状や意味合いに関わってきます。一般的に、主玉(しゅだま)、親玉(おやだま)、四天玉(してんだま)といった区分があり、それぞれの数や配置には伝統的な意味合いが込められています。例えば、親玉は仏様を表し、主玉は衆生を表すといった解釈があります。また、正式な数珠(日蓮宗の「尺六」など)では、玉の数が厳密に定められている場合もありますが、略式念珠では、一般的に主玉が108個、親玉が1個、四天玉が4個といった構成が多く見られます。玉の数に特別な意味を求める場合は、その由来を確認すると良いでしょう。
4-4. デザインで選ぶ
念珠のデザインは、個人の好みや、使用する場面(TPO)に合わせて選ぶことが大切です。特に房の色や素材、形状は、念珠全体の印象を大きく左右します。一般的に、房の色は落ち着いた色合い(黒、茶、紺など)がフォーマルな場面に適しており、明るい色や華やかな色の房は、個性を表現するのに役立ちます。玉の大きさや、主玉と親玉、四天玉の配置バランスも、デザインの重要な要素です。ご自身の服装や、どのような場面で念珠を使用したいかを考慮しながら、心惹かれるデザインを選んでみてください。
5. 念珠(数珠)の正しい使い方
念珠(数珠)は、仏教徒にとって祈りや供養の際に用いられる大切な法具です。しかし、その正しい持ち方や使い方については、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、お葬式や法事、お墓参りといった具体的な場面を想定しながら、念珠をどのように扱えば良いのか、その基本的な作法を解説します。
5-1. 持ち方
念珠の持ち方には、いくつかの基本的な形があります。最も一般的なのは、合掌して祈る際の持ち方です。数珠を両手の親指に掛け、四本の指に沿わせるようにして、指先で数珠を軽く押さえるように持ちます。この時、数珠が輪のまま垂れ下がるようにするのが正式な形です。
また、合掌していない平常時や、持ち運ぶ際には、左手に数珠を掛けておくのが一般的です。数珠は、宗派や個人の習慣によって多少の違いが見られることもありますが、基本的には「大切に扱う」という意識を持つことが重要です。数珠を膝の上に置く場合も、丁寧さを心がけましょう。
5-2. 使い方(お葬式、法事、お墓参りなど)
念珠は、読経や焼香の際に使用されます。数珠を繰る(動かす)作法は、数珠玉を親指と人差し指で一粒ずつ、または数珠つなぎに滑らせるように動かすことを指します。この動作を繰り返すことで、お経の回数を数えたり、祈りを捧げたりします。
お葬式や法事では、祭壇に手を合わせる際や、僧侶の読経に合わせて、静かに数珠を繰ります。焼香の際には、数珠を左手に掛け、右手で香をつまんで香炉にくべます。お墓参りの際も同様に、お墓の前で合掌し、静かに数珠を繰って故人を供養します。宗派によっては、数珠の繰り方に若干の違いがある場合もありますが、基本的な流れは共通しています。大切なのは、心を込めて丁寧に扱うことです。
6. 念珠(数珠)に込められた意味
念珠は、単に数を数えるための道具としてだけでなく、仏様との繋がりを感じ、自身の心を整えるための重要な法具です。そこには、古来より受け継がれてきた深い宗教的・精神的な意味合いが込められています。
歴史を紐解くと、念珠の起源は古代インドにまで遡ると言われています。仏教の伝来と共に日本に伝わり、時代と共にその形状や素材、用いられ方が変化しながらも、仏事や日常の信仰実践において欠かせない存在となりました。仏教徒にとっては、読経の回数を数える実用的な役割はもちろんのこと、煩悩の火を消し、心を清浄に保つための象徴としても用いられます。
また、念珠は魔除けとしての意味合いも持ち合わせています。身につけることで、災いや邪悪なものから身を守り、平穏な日々を送るための加護を得られると信じられてきました。このように、念珠は仏様への敬意を表し、自己の精神を修養し、そして現世における安寧を願う、多岐にわたる祈りや願いを具現化したものなのです。
7. 贈り物として念珠を選ぶ際のポイント
大切な方への贈り物として念珠を検討されている方もいらっしゃるでしょう。しかし、相手の宗派が分からない場合や、どのような念珠を選べば良いか迷うこともあるかもしれません。ここでは、贈り物として念珠を選ぶ際の注意点と、失礼なく喜ばれる念珠選びのコツを解説します。贈る相手や場面に合わせた選び方を知ることで、より心のこもった贈り物ができるはずです。
7-1. 相手の宗派が分からない場合
贈る相手の宗派が特定できない場合でも、心配はいりません。そのような場合は、宗派を問わない「略式念珠(じゅず)」を選ぶのが一般的です。略式念珠は、どの宗派の方でもお使いいただけるように作られており、デザインも豊富です。数珠玉の数が少ないものや、房の色が落ち着いたものを選ぶと、より汎用性が高まります。素材については、木製のものや、水晶、瑪瑙(めのう)などは、性別や年代を問わず人気があります。色合いも、紫や藤色、茶色、グレーなどが無難で、相手を選びにくいでしょう。迷った際は、シンプルなデザインで、素材や色に過度な主張がないものを選ぶのが賢明です。
7-2. 年齢、性別、TPOに合わせた選び方
念珠を贈る相手の年齢や性別、そして贈る場面(法事の返礼品、お祝い事など)によっても、ふさわしい念珠は異なります。
弔事用としては、一般的に黒、グレー、紫、藤色といった落ち着いた色合いのものが選ばれます。素材は、黒檀、紫檀、栴檀(せんだん)などの木製のものや、水晶、瑪瑙(めのう)などが定番です。房の色も、黒、灰、紫などが一般的です。
一方、お祝い事や、普段使いとしても使える念珠としては、少し華やかな素材や色を選ぶことも可能です。例えば、女性には珊瑚やローズクォーツ、男性には虎目石(タイガーアイ)や青虎目石(ブルータイガーアイ)なども喜ばれることがあります。ただし、あくまでも念珠は仏具ですので、あまりにも派手すぎるデザインや色合いは避けるのが無難です。
贈る際には、熨斗(のし)袋の表書きは、弔事であれば「志」や「粗供養」、お祝いであれば「御祝」など、目的に合わせて適切に記載しましょう。
8. 念珠(数珠)に関するQ&A
ここでは、念珠(数珠)について読者が抱きやすい疑問にお答えします。お葬式やお彼岸、法事など、念珠を使う機会はあっても、その意味や使い方について十分に理解していないという方もいらっしゃるかもしれません。よくある質問とその回答をまとめました。
数珠は一人に一つ用意するのが基本です。自分専用のものを用意することで、故人やご先祖様への敬意を表すことができます。
数珠の貸し借りは、基本的には避けるべきです。相手に失礼にあたる可能性があります。どうしても自分の数珠がない場合は、葬儀場などで一時的に借りられることもありますが、できる限り自分のものを用意するのが望ましいでしょう。
念珠の形状が宗派によって異なるのは、それぞれの宗派の開祖や教義、歴史的背景が異なり、それに伴って仏具や儀式も独自に発展してきたためです。珠の数や素材、房の色なども、宗派によって定められている場合があります。
9. まとめ
この記事では、念珠の選び方からその意味、そして使い方に至るまで、詳しく解説してきました。念珠は、故人を偲び、冥福を祈るための大切な法具であると同時に、私たち自身の心を落ち着かせ、日々の生活における心の拠り所ともなり得ます。
今回ご紹介した知識を基に、ご自身の想いに寄り添う一珠を見つけ、大切にお使いいただければ幸いです。念珠に込められた祈りとともに、穏やかな時間をお過ごしください。
数珠・念珠の選び方とは?男女別の違いなど5つの観点から解説 | お仏壇のはせがわ【公式】
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