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2026年7月6日
「引導を渡す」は怖い言葉じゃない!お葬式で行われる温かい理由とは?

日常会話の中で「もう諦めろと引導を渡された」「ついにクビを宣告されて引導を渡された」のように使われる「引導を渡す」という言葉。
実はこの言葉、お葬式の儀式が由来であることをご存知でしょうか。
「最終通牒を突きつける」という少し怖いイメージがありますが、お葬式における本来の意味はまったく異なります。この記事では、お葬式でなぜ「引導を渡す」のか、その意味や目的を分かりやすく解説します。
「引導を渡す」の本来の意味とは?仏教由来の言葉
日常では「諦めさせる」「関係を断ち切る」といったネガティブな文脈で使われがちですが、仏教における本来の意味は違います。
仏教での「引導」とは、「死者を迷うことなく、悟りの世界(極楽浄土)へ導くこと」を意味します。
つまり、亡くなった方がこれからの旅路で迷子にならないように、正しい道を示してあげるという、とても慈悲深くて優しい意味を持っているのです。
お葬式で「引導を渡す」のはなぜ?行う理由と目的
お葬式(特に葬儀・告別式)のなかで「引導を渡す(引導下ろし)」という儀式を行うのには、主に2つの重要な理由があります。
1. 自分が亡くなったことを自覚させるため
仏教では、亡くなった直後の魂は、まだ自分が死んだことを理解していない、あるいは現実を受け入れられずに現世を彷徨ってしまうと考えられています。そのため、僧侶が「あなたは亡くなりましたよ」と言葉や儀式で告げることで、まずは自分の死をしっかりと自覚させる必要があります。
2. 現世への未練を断ち切り、あの世へ向かわせるため
人間誰しも、突然の別れには未練や執着が残るものです。故人の魂が「家族のそばにいたい」「まだやりたいことがあった」と現世に留まろうとすると、成仏できなくなってしまいます。そこで、仏の教えを授けて現世への未練を断ち切らせ、迷わずにあの世(仏の世界)へと旅立てるように背中を押してあげるために行われます。
お葬式の「引導」では具体的に何をするの?
宗派によってやり方は異なりますが、一般的には葬儀の終盤、出棺の前に行われることが多いです。主に次のような作法が行われます。
- 引導文(いんどうもん)の朗読:僧侶が、故人の生涯を讃え、仏の教えを説く漢文(引導文)を独特の節回しで読み上げます。
- 道具を使った儀式:僧侶が「払子(ほっす)」と呼ばれる白い毛のついた道具を大きく振ったり、木魚や引磬(いんけい)という鐘を鳴らしたりします。
- 「喝(かつ)!」と叫ぶ:特に禅宗(臨済宗や曹洞宗など)では、僧侶が大きな声で「喝!」と叫ぶことがあります。これは、故人の迷いや現世への執着を一瞬で吹き飛ばすための重要な作法です。
このように、音や声、言葉の力を使って、故人の魂に強いメッセージを届けます。
まとめ:「引導を渡す」は故人を救うための温かい儀式
日常会話のイメージとは裏腹に、お葬式での「引導を渡す」という儀式は、故人が迷わずに幸福な世界へ行けるように手助けをする、とても温かい儀式です。
もし葬儀に参列する機会があれば、「今、故人様が迷わず旅立てるように道を照らしているんだな」という視点で見守ってみてください。言葉の持つ本来の優しさを感じられるはずです。

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