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2025年12月23日
線香の意味と宗派ごとの作法|仏壇での供養を正しく行う方法

「線香をあげる」という行為には、故人への感謝や追悼の気持ちを伝える大切な意味があります。しかし、仏教には様々な宗派があり、線香のあげ方やその意味合いも、宗派によって異なることをご存知でしょうか?「自分の宗派ではどうすれば良いのだろう?」「失礼にあたるあげ方をしていないか心配…」そんな疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、線香をあげることの基本的な意味から、浄土真宗、浄土宗、真言宗、天台宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗といった主要な宗派ごとの線香のあげ方、そして供養における正しい作法までを、分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたの宗派に合わせた線香のあげ方を理解し、自信を持って故人への想いを届けられるようになるはずです。仏壇での供養をより深く、心安らかに行うための一助となれば幸いです。
線香をあげることの基本的な意味
「線香をあげる」という行為は、単なる習慣ではなく、故人への感謝や追悼の気持ち、そして自身の信仰心を深く表す大切な作法です。仏教において、線香には様々な意味と役割が込められており、その一つ一つが私たちの心と故人の魂をつなぐ架け橋となっています。
仏教における線香供養の役割
仏教において線香を供えることは、非常に重要な意味を持つ供養の一つです。線香の香りは、私たちの心身を清め、仏様や故人への敬意を表す役割があります。これは「追善供養(ついぜんくよう)」とも呼ばれ、私たちが善行を積むことで、その功徳が故人に届けられ、故人の魂が安らかになるように願うものです。
また、線香の煙は、この世とあの世をつなぐ道しるべになるとも言われています。私たちが線香をあげることで、その香りが故人の元へ届き、故人が迷わずに仏様の元へたどり着けるように導くという意味が込められています。清らかな香りが空間を満たすことで、私たちが祈りを捧げる場を清浄なものにし、心を落ち着けて故人を偲ぶことができるのです。
線香の香りに込められた意味
線香の香りは、仏教において様々な象徴的な意味を持っています。まず、香りは心身を清める力があるとされています。線香を焚くことで、その清らかな香りが邪気を払い、私たちの心を落ち着かせ、祈りに集中できる環境を作り出します。
また、線香の香りは「食香(じきこう)」とも呼ばれ、故人の食事になると考えられています。私たちが線香を供えることは、故人に対して食事を捧げるのと同じように、故人の魂が飢えることなく安らかに過ごせるように願う行為なのです。
さらに、線香の煙は、私たちの願いや祈りを仏様や故人の元へ届ける役割も担っています。煙が立ち上っていく様子は、まるで私たちの思いが天へと昇っていくかのようです。このように、線香の香りは単なる香りではなく、故人への深い愛情と敬意、そして私たちの祈りが込められた、大切な意味を持つものなのです。
浄土真宗
線香の数
浄土真宗では、線香は基本的に「一本」だけを用いるのが一般的です。他の宗派のように複数本を立てることはありません。この一本の線香に、仏様への感謝と敬意を込めます。
線香の立て方・供え方
浄土真宗の線香のあげ方には、特徴的な作法があります。一本の線香を香炉に入れる前に、まず線香を数本に折ります。通常は、線香の長さが香炉の幅に収まるように、2〜3本に折ることが多いです。
折った線香は、火をつけた部分が香炉の中央を向くようにして、香炉の中に「寝かせて」供えます。他の宗派では線香を立てることが多いですが、浄土真宗では香炉に立てずに寝かせるのが正しい作法です。
この作法は、浄土真宗の教えにおいて、線香の香りが仏様の悟りの智慧(ちえ)を象徴し、その香りが広がることで仏様の慈悲が私たちに届くという意味合いが込められています。また、線香を折って寝かせることで、香りが途切れることなく長く漂うことを願う気持ちも表されています。心を込めて丁寧に供えることが大切です。
浄土宗
浄土宗では、阿弥陀如来への信仰を重んじ、念仏を唱えることが重要視されます。線香をあげる行為も、念仏とともに故人を供養し、仏様への感謝を伝える大切な作法の一つです。ここでは、浄土宗における線香のあげ方について詳しく見ていきましょう。
線香の数
浄土宗で線香をあげる際の基本的な本数は、1本または3本とされています。どちらでも問題ありませんが、一般的には1本で供養することが多いです。これは、線香の香りが仏様の慈悲を広げ、私たちと故人を結ぶ役割を果たすという意味合いが込められています。
線香の立て方・供え方
浄土宗では、線香は香炉の中央に立てるのが基本的な作法です。
1本であげる場合は、火をつけた線香を香炉の中央にまっすぐ立てます。 3本であげる場合は、香炉の中央に1本、その手前左右にそれぞれ1本ずつ立てるのが一般的です。この際、線香の間隔は均等になるようにすると良いでしょう。
線香を立てる際は、宗派に関わらず、感謝の気持ちを込めて丁寧に行うことが大切です。
真言宗
線香の数
真言宗では、線香を三本あげるのが一般的です。これは、仏教における大切な教えである「三宝(仏・法・僧)」を象徴するとされており、この三宝に供養する意味が込められています。
線香の立て方・供え方
真言宗で三本の線香をあげる際は、香炉の中央に一本を立て、残りの二本をその左右に少し離して立てるのが作法です。これには、仏様(仏)、仏様の教え(法)、教えを守り伝える僧侶(僧)という三宝に対して、敬意を表し供養するという意味があります。火は一本の線香にのみつけ、その火を他の線香に移して点火します。火が消えたら、線香から立ち上る香煙が、私たちの願いや祈りを仏様へと届けてくれるとされています。
天台宗
天台宗では、故人への供養や仏様への祈りを込めて線香をあげます。その作法は比較的シンプルで、心を込めて丁寧に行うことが大切にされています。
線香の数
天台宗で線香をあげる際は、一本または三本を用いるのが一般的です。どちらの本数を選ぶかは状況や個人の習慣によって異なりますが、心を込めて供養する気持ちが何よりも重要とされています。
線香の立て方・供え方
線香の本数によって立て方が異なります。
- 一本の場合:香炉の中央に垂直に立てます。
- 三本の場合:香炉の手前(自分に近い側)に一本、その奥に二本を「ハ」の字になるように立てます。これは、三本がそれぞれ仏・法・僧の三宝を表しているとも言われています。
線香を立てる際は、燃えている部分が上になるようにし、灰が散らばらないよう優しく扱います。心を落ち着け、故人や仏様への感謝と祈りの気持ちを込めて供えましょう。
曹洞宗
線香の数
曹洞宗では、線香をあげる際に一本を用いるのが一般的です。これは、一本の線香が仏様と私たちをつなぐ「仏道」を象徴しているという考え方に基づいています。故人やご先祖様への感謝と祈りを込めて、心を込めて一本の線香を供えましょう。
線香の立て方・供え方
曹洞宗における線香の立て方は、他の宗派とは異なる特徴があります。
まず、火をつけた一本の線香を左手で軽く添え、右手で香炉(こうろ)の中央に立てます。この際、線香をまっすぐに立てることが重要です。線香を立てる前に、香炉の灰を軽くならしておくと、より安定して立てることができます。
また、線香の煙は故人の食べ物であると同時に、私たちの心を清め、仏様とつながるための重要な役割を果たすと考えられています。そのため、線香を立てる際は、単なる作法としてではなく、故人への深い感謝と、自身の心を整える意識を持って臨むことが大切です。
臨済宗
臨済宗では、禅の精神に基づき、シンプルで心のこもった供養を重んじます。線香のあげ方においても、その教えが反映されています。
線香の数
臨済宗では、線香は基本的に1本を用います。これは、禅の教えである「一即多、多即一」の精神にも通じ、一本の線香に仏様やご先祖様、そして自分自身を含む全ての存在への感謝と祈りを込めるという意味合いがあります。
線香の立て方・供え方
臨済宗における線香の立て方は、至ってシンプルです。
まず、火をつけた線香を一度手で仰いで炎を消し、煙だけが立ち上る状態にします。その後、香炉の中央に線香を垂直に1本立てます。この際、線香が傾いたり倒れたりしないよう、しっかりと立てることが大切です。
一本の線香を静かに見つめ、その煙が立ち上る様子に心を落ち着かせながら、故人への感謝やご自身の祈りを捧げます。この作法は、余分なものをそぎ落とし、ただひたすらに仏様と向き合う禅の精神を体現していると言えるでしょう。
日蓮宗
日蓮宗では、お題目を唱える「唱題行」を重んじ、仏・法・僧の三宝を敬う供養を行います。線香供養においても、この教えに基づいた作法が大切にされます。
線香の数
日蓮宗で線香をあげる際の基本的な本数は、通常1本または3本です。これは、仏・法・僧の三宝を象徴する意味合いも持ちます。
線香の立て方・供え方
日蓮宗では、線香を立てる香炉に灰を平らに敷き、以下のいずれかの方法で線香を供えます。
- 1本の場合:香炉の中央に1本立てます。
- 3本の場合:香炉の灰に、手前から奥に向かって等間隔に3本立てます。この際、線香の火がついた方を上にして立てるのが一般的です。
線香を供える際は、合掌し、心の中で故人への感謝やご先祖様への敬意を込めてお題目を唱えることが重要です。
線香をあげる際のマナーと注意点
宗派を問わず共通して守るべき、線香をあげる際の一般的なマナーと注意点を解説します。故人への感謝と敬意を表す大切な行為だからこそ、安心して供養を行えるよう、具体的な行動指針を分かりやすく説明いたします。
火のつけ方と消し方
線香に火をつける際は、マッチやライターではなく、仏壇のロウソクから火を移すのが丁寧な作法とされています。ロウソクの炎で線香の先端に火をつけ、炎が上がったら手で軽く仰ぐか、線香を振って消しましょう。この際、口で息を吹きかけて消すのは仏様や故人に対して失礼にあたるとされているため、避けるようにしてください。
線香の折れや灰の処理
もし線香が途中で折れてしまっても、そのまま香炉に供えて問題ありません。大切なのは、故人を想う気持ちです。また、香炉にたまった灰は、定期的に掃除し、きれいに保つことが大切です。灰が固まったり、線香が最後まで燃え尽きない場合は、新しい灰に交換するか、灰をほぐしてならしましょう。灰ならしという仏具を使用すると、きれいに整えることができます。
複数人で線香をあげる場合
家族や親族など、複数人で線香をあげる際は、故人との関係が深い方から順に供えるのが一般的です。例えば、喪主、故人の配偶者、子供、兄弟姉妹といった順番になります。香炉は複数人で共有しても問題ありませんが、各自が線香を供える際は、他の人が供えた線香を邪魔しないよう、スペースを配慮しましょう。静かに、心を込めて供養することが何よりも大切です。
線香の種類と選び方
線香には様々な種類があり、形状や香り、用途によって適したものが異なります。ここでは、それぞれの特徴と選び方のポイントをご紹介します。故人への想いを込めて供養するためにも、ぜひ参考にしてください。
線香の形状(棒状、渦巻き状、角型など)
線香には、主に以下の3つの形状があります。
- 棒状線香: 最も一般的で、日常的に使用されることが多いタイプです。燃焼時間は短く、手軽に使うことができます。
- 渦巻き状線香: 蚊取り線香のように渦を巻いた形状で、燃焼時間が長いのが特徴です。長時間にわたる供養や、来客時などにおすすめです。
- 角型線香: 短い棒状の線香を並べたような形状で、主に法事や法要など、特別な場面で用いられることがあります。
それぞれの形状は、使用シーンや燃焼時間のニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。
線香の香り(白檀、沈香、フローラル系など)
線香の香りは、供養の空間を演出する重要な要素です。主な香りの種類は以下の通りです。
- 白檀(びゃくだん): 古くから親しまれている香木で、清らかで甘く、心を落ち着かせる香りが特徴です。
- 沈香(じんこう): 希少価値が高く、奥深く神秘的な香りが特徴です。特別な供養や贈答用として選ばれることが多いです。
- 伽羅(きゃら): 沈香の中でも最高級品とされ、上品で複雑な香りがします。
- フローラル系・ハーブ系: 現代の生活空間に合わせた、花や植物の香りを再現した線香です。故人が好きだった香りを供えるなど、自由な選択肢が増えています。
故人の好みや、ご自身の心が安らぐ香りを選ぶことが大切です。
宗派や用途に合わせた選び方
線香を選ぶ際には、ご自身の宗派の考え方や、使用する場面を考慮することが重要です。
- 宗派による違い: 特定の宗派では、香りの種類や強さについて推奨がある場合があります。例えば、浄土真宗では香りの少ないものや、香煙の少ないものが好まれる傾向があります。迷った場合は、菩提寺に相談してみると良いでしょう。
- 日常使い: 日常の供養には、香りが穏やかで、燃焼時間が短めの棒状線香が適しています。経済的な観点からも、手軽に使えるものが良いでしょう。
- 法事・法要: 法事や法要など、特別な場では、少し上質な白檀や沈香などの香りの線香を選ぶと、より丁寧な供養の気持ちを表現できます。渦巻き状線香で長時間香りを漂わせるのも良いでしょう。
- 贈答用: お供え物として贈る場合は、故人やご遺族の好みを考慮しつつ、白檀や沈香といった伝統的な香りの線香を選ぶと、失礼がありません。
大切なのは、故人への感謝と敬意を込めて選ぶことです。様々な種類の中から、故人が喜んでくれるであろう線香を選んで供養しましょう。
まとめ:線香供養をより深く、心安らかに行うために
この記事では、線香をあげることの基本的な意味から、主要な宗派ごとの正しいあげ方、そして線香の種類やマナーまでを詳しく解説しました。線香をあげるという行為は、単なる形式的な作法ではなく、故人への感謝や追悼の気持ちを伝えるための大切な手段です。香煙は仏様と私たちをつなぎ、故人の魂を慰め、私たちの心を清める役割を担っています。
宗派によって線香の本数や立て方、考え方に違いはありますが、最も大切なのは故人を想い、心を込めて供養することにあります。ご自身の宗派の作法を理解し、それを実践することで、より自信を持って故人への祈りを捧げることができるでしょう。
線香供養を通して、故人への感謝と敬意を深く心に刻み、日々の生活の中で心の平安を得る一助となれば幸いです。この記事が、あなたの線香供養をより意味深く、心安らかなものにするための一助となれば幸いです。
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