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臨終から葬儀まで:お経・お通夜・葬儀・初七日・3日参りの意味を徹底解説

「まさか、こんな日が来るとは…」

大切な方の臨終を経験し、深い悲しみの中、葬儀や法要について「何から手を付ければ良いのか」「どんなお経をあげれば良いのか」と途方に暮れていませんか?

この記事では、臨終から葬儀、そして初七日、3日参りまでの流れを分かりやすく解説します。それぞれの儀式が持つ意味を理解し、故人を心から弔うための知識を身につけましょう。宗派別のお経の違いや、必要な準備についても詳しく解説しますので、どうぞ最後までお読みください。

臨終を迎えた際の対応

大切な方が亡くなられた直後は、深い悲しみの中にあり、冷静な判断が難しい状況かと思います。しかし、故人をお見送りするためには、いくつかの重要な対応を速やかに行う必要があります。ここでは、臨終の際にまず行うべきことと、故人に寄り添うための準備について解説します。

臨終時にすべきこと

故人が亡くなったことを医師から告げられたら、まずは落ち着いて以下の対応を進めましょう。

  • 死亡診断書の受け取り: 医師から発行される死亡診断書(または死体検案書)は、死亡の事実を証明する重要な書類です。火葬許可証の申請や、各種手続きに必要となりますので、必ず受け取り、大切に保管してください。
  • 親族・関係者への連絡: 故人の配偶者、子供、両親などの近親者、そして親しい友人や会社関係者など、訃報を伝えるべき方々に連絡します。連絡する順番や方法(電話、メールなど)は、状況に応じて判断しましょう。
  • 葬儀社への連絡: 葬儀社に連絡し、ご遺体の搬送や葬儀の準備について相談します。菩提寺がある場合は、まず菩提寺の僧侶に連絡し、葬儀の日程などを相談してから葬儀社に伝えるのが一般的です。
  • ご遺体の搬送: 葬儀社が決まったら、ご遺体を安置場所(自宅や斎場など)へ搬送します。
  • 安置: ご遺体は、ご自宅の仏壇の前や、葬儀社の安置室などに安置します。安置場所が決まったら、枕元に後飾り祭壇を設置し、線香、ローソク、焼香器などを準備します。

故人に寄り添うための準備

ご遺体への処置や、遺族が心穏やかに故人と向き合うための準備も、この段階で行います。

  • エンゼルケア(死化粧・清拭): 故人のご遺体の顔をきれいに拭き、生前の顔色に近づけるように化粧を施します。これは、故人が安らかに旅立てるように、そして遺族が故人の最後の姿を穏やかな気持ちで受け入れられるようにするための大切な儀式です。専門の知識を持った葬儀社のスタッフが行うことが多いですが、ご遺族がご希望される場合は、介助してもらいながら行うことも可能です。
  • 湯灌(ゆかん): ご遺体を清めるために、お湯で体を洗い清める儀式です。これもエンゼルケアの一環として行われます。
  • 死装束(もーい): 故人に、あの世で着るための衣装(経帷子など)を着せます。
  • 遺族の心の準備: 突然の別れは、遺族にとって大きな精神的負担となります。この時期は、親族や親しい友人のサポートを受けながら、ご自身の心身のケアも大切にしてください。悲しみに暮れるのは当然のことですが、故人を偲び、感謝の気持ちを伝える時間として、ゆっくりと向き合っていくことが大切です。

お通夜とは?意味と流れ

前章では臨終を迎えた際の対応について解説しました。大切な方が亡くなった後、最初に行われる儀式がお通夜です。深い悲しみの中にある遺族にとって、親族や友人たちが集まり、故人を偲び、共に時間を過ごすお通夜は、心の支えとなる大切な時間です。

ここでは、お通夜が持つ意味と目的、当日の一般的な流れ、そして宗派によるお経や儀式の特徴について詳しく解説していきます。

お通夜の意味と目的

お通夜は、故人が亡くなった日の夜に行われる、親族や親しい友人が集まって故人を偲ぶ儀式です。本来は、亡くなった方が極楽浄土へ無事に旅立てるように、僧侶がお経を唱え、遺族や参列者が線香を供える「通夜祭」という意味合いが強いものでした。

現代では、故人とゆっくりお別れをするための時間として、また、遺族が悲しみを分かち合い、精神的な支えを得るための大切な機会となっています。故人の生前の思い出を語り合ったり、静かに故人に寄り添ったりすることで、遺族は少しずつ現実を受け入れていく準備をします。

お通夜当日の流れ

お通夜は、一般的に夕方から夜にかけて行われます。当日の一般的な流れは以下の通りです。

  • 受付(開始30分前~)
    • 参列者が到着し、受付で芳名録に記帳し、香典を渡します。
    • 遺族は、参列者一人ひとりに感謝の言葉を述べ、お悔やみの言葉を受け取ります。
  • 僧侶の入場・読経(開始時間~)
    • 僧侶が入場し、焼香の準備をします。
    • 読経が始まります。これは、故人の冥福を祈るための重要な儀式です。
  • 弔辞・弔電(読経中または後)
    • 故人と親しかった方からの弔辞が読まれたり、弔電が紹介されたりすることがあります。
  • 焼香(読経後)
    • 遺族、親族、参列者の順に焼香を行います。
    • 焼香の作法は宗派によって異なりますが、一般的には、右手の親指、人差し指、中指の3本でお香をつまみ、額にいただいてから香炉にくべます。
  • 法話(宗派により)
    • 僧侶による法話が行われる場合もあります。
  • 遺族挨拶
    • お通夜の終わりに、喪主が参列者へのお礼の挨拶を述べます。
  • 精進落とし(お通夜の後)
    • 僧侶や親族、親しい友人などを招き、食事を共にします。これは、故人が亡くなってからの「精進料理」の期間を終え、通常の食事に戻ることを意味する会食です。

お通夜で読まれるお経と宗派による特徴

お通夜で読まれるお経は、宗派によって異なります。以下に代表的な宗派のお経を挙げます。

  • 浄土宗・浄土真宗: 念仏(「南無阿弥陀仏」)を唱えることが中心となります。お経としては『仏説阿弥陀経』などが読まれることがあります。
  • 真言宗: 『般若心経』などが読まれることが多いです。真言宗では、真言(マントラ)を唱えることも特徴です。
  • 曹洞宗・臨済宗: 『観音経』や『般若心経』、『方便品』などが読まれます。禅宗では、坐禅の姿勢で静かに読経することが重んじられます。
  • 日蓮宗: 『法華経』の一部である『自我偈』や『方便品』などが読まれます。題目を唱えることが特徴です。

宗派によってお経の内容や唱え方、儀式の進め方に違いがありますが、どの宗派においても、故人の冥福を祈り、安らかな旅立ちを願う気持ちは共通しています。不明な点があれば、菩提寺や葬儀社に確認すると良いでしょう。

葬儀とは?意味と流れ

お通夜に続き、故人との大切なお別れの儀式である葬儀について解説します。葬儀は、故人が無事に極楽浄土へ旅立つことを願い、遺族や親族、故人と縁のあった人々が最後のお別れをするための大切な儀式です。

葬儀の意味と目的

葬儀は、故人の冥福を祈り、その生涯を感謝するとともに、故人が安らかに浄土へ旅立てるように願うための大切な儀式です。また、故人が生前お世話になった方々へ感謝の意を伝え、遺族が悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出すための区切りとなる意味合いも持っています。社会的なお別れという側面もあり、故人の存在を改めて認識し、感謝の気持ちを捧げる場となります。

葬儀当日の流れ

葬儀当日の流れは、地域や宗派によって多少異なりますが、一般的には以下のようになります。

  • 出棺: 棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ向かいます。遺族や親族は、故人の愛用品などを棺に納めることがあります。
  • 火葬: 火葬場に到着後、火葬炉で故人の遺体を荼毘に付します。火葬には通常1時間半から2時間程度かかります。
  • 骨上げ(こつあげ): 火葬後、遺骨を骨壷に収める儀式です。二人一組で箸を使い、遺骨を拾い骨壷に納めます。喪主が最初に拾い、次いで親族が順に拾っていきます。お箸で拾うのは、故人と遺骨を橋渡しするという意味合いがあります。
  • 還骨法要(かんこつほうよう): 骨上げの後、火葬場から戻った遺骨や位牌を祭壇に飾り、法要を営みます。これを還骨法要と呼びます。初七日法要と合わせて行う「繰り上げ初七日法要」として、葬儀当日に済ませるケースも増えています。
  • 精進落とし(しょうじんおとし): 還骨法要の後、参列してくれた方々へ感謝の意を込めて食事を振る舞います。以前は、四十九日までの精進期間を終える意味合いがありましたが、現在では葬儀当日に、参列者をもてなす意味合いが強くなっています。

葬儀で読まれるお経と宗派別の特徴

葬儀で読まれるお経は、故人の冥福を祈り、仏の世界へ導くための重要な役割を担います。宗派によって読まれるお経の種類や、儀式の進め方に特徴があります。

  • 浄土宗: 念仏(「南無阿弥陀仏」)を唱えることが中心となります。「阿弥陀経」などが読まれることが多いです。
  • 真言宗: 独特の真言(マントラ)を唱えます。「光明真言」などが代表的で、故人の即身成仏を願います。
  • 曹洞宗: 坐禅を重んじる宗派であり、読経も静かで落ち着いた雰囲気で行われます。「舎利礼文」や「観音経」などが読まれることがあります。
  • 日蓮宗: 法華経を根本経典としており、独特の題目(「南無妙法蓮華経」)を唱えます。お経というよりは、題目を唱えることが中心となります。

これらの宗派以外にも、天台宗、臨済宗など、様々な宗派があり、それぞれに独自の教えや儀式、お経があります。葬儀でお経を依頼する際は、故人の宗派を確認し、菩提寺や葬儀社に相談することが重要です。

初七日法要とは?意味と流れ

さて、葬儀が終わると、次は初七日法要となります。この法要は、故人が無事に極楽浄土へ旅立つことを願う、仏教における非常に大切な追善供養の一つです。

初七日法要の意味と目的

初七日法要は、故人が亡くなってから7日目に行われる法要です。仏教では、亡くなった後、故人は7日ごとに生前の行いによって裁きを受け、極楽浄土へ旅立つための準備をすると考えられています。初七日法要は、その裁きが下される大切な時期に、遺族や親族が故人のために読経や焼香を行い、故人が無事に極楽浄土へ旅立てるよう、そして安らかな眠りにつけるよう祈りを捧げる「追善供養」です。この法要を行うことで、故人の成仏を願い、遺族の悲しみを和らげるという意味合いもあります。

初七日法要当日の流れ

初七日法要は、近年では葬儀・告別式と同じ日に行われる「繰り上げ初七日法要」が一般的になっています。しかし、地域や宗派、ご遺族の意向によっては、後日改めて行う場合もあります。

【繰り上げ初七日法要の場合】

  1. 読経・焼香: 葬儀・告別式の読経の後、引き続き僧侶による読経が行われます。その後、遺族・親族・会葬者が順に焼香を行います。
  2. 法話(任意): 僧侶から故人を偲ぶ法話がある場合もあります。
  3. 会食(お斎): 法要後、僧侶や会葬者と共に食事をします。お寿司や仕出し弁当などが用意されることが多いです。
  4. 引き出物: 会葬者へ感謝の気持ちを込めて、引き出物をお渡しします。

【別日で行う場合】

  1. 会場への移動: 菩提寺や自宅、または葬儀会館など、事前に決めた場所へ移動します。
  2. 読経・焼香: 僧侶による読経の後、遺族・親族・参列者が焼香を行います。
  3. 法話(任意): 僧侶による法話がある場合もあります。
  4. 会食(お斎): 法要後、僧侶や参列者と共に食事をします。
  5. 引き出物: 参列者へ引き出物をお渡しします。

【準備について】

  • 僧侶への連絡: 日程や場所、繰り上げ初七日法要の有無などを僧侶に確認し、依頼します。
  • 会場の手配: 自宅、菩提寺、または葬儀会館などを手配します。
  • 引物(引き出物)の準備: 参列者へお礼として渡す品物を用意します。
  • お供物: 果物、お菓子、お花などを用意します。
  • 会食(お斎)の手配: 僧侶や参列者をもてなす食事を手配します。

初七日法要で読まれるお経と宗派別の特徴

初七日法要で読まれるお経は、宗派によって異なりますが、一般的には故人の冥福を祈るためのものや、仏の教えを説くものです。

  • 浄土宗: 「阿弥陀経」や「観無量寿経」などが読まれることが多いです。極楽浄土への往生を願う教えが中心となります。
  • 真言宗: 「理趣経」や「光明真言」などが読まれます。真言宗では、即身成仏(この身このままで仏になること)を目指す教えが特徴です。
  • 曹洞宗: 「舎利礼文」や「観音経」などが読まれることがあります。曹洞宗は「只管打坐(しかんたざ)」の坐禅を重んじ、日々の実践を大切にする教えです。
  • 日蓮宗: 読経というよりは、題目(南無妙法蓮華経)を唱えることが中心となります。法華経の教えに基づいています。

これらの宗派以外でも、各宗派の開祖や本尊にゆかりのあるお経が読まれます。どの宗派であっても、故人の成仏を願い、遺族の心を慰めるという目的は共通しています。不明な場合は、菩提寺の僧侶に相談するのが最も確実です。

5. 3日参りとは?意味と過ごし方

これまで、臨終からお通夜、葬儀、そして初七日法要までの流れと意味について解説してきました。ここでは、あまり馴染みがないかもしれませんが、故人を偲ぶ上で大切な「3日参り」について、その意味と過ごし方、注意点をご説明します。この習慣は、遺族が故人の死を受け止め、心を落ち着かせるための大切な時間となります。

3日参りの意味と目的

3日参りとは、一般的に、故人が亡くなってから3日目に行われる、遺族による自宅での供養や故人を偲ぶ習慣のことです。この時期は、葬儀や初七日法要を終え、少し落ち着きを取り戻した頃であり、遺族が改めて故人を偲び、冥福を祈るための時間となります。また、故人があの世へと旅立つ準備を整える期間とも考えられており、遺族が故人のために祈りを捧げる大切な機会でもあります。この3日間は、故人がこの世との別れを惜しみ、次の世界へ旅立つための準備期間と捉えられることもあります。そのため、遺族は自宅で静かに故人を偲び、供養を行うことで、故人の旅立ちを穏やかに見送ることを願います。

3日参りの過ごし方と注意点

3日参りは、特に決まった形式があるわけではありませんが、一般的には以下のような過ごし方があります。

  • 読経・焼香: 自宅に僧侶を招き、読経をしてもらうことがあります。僧侶が来られない場合は、遺族だけでお経を唱えたり、手を合わせたりします。お経は、宗派によって異なりますが、故人の冥福を祈るためのものです。
  • 食事の用意: 故人の好きだったものや、精進料理などを用意して、仏前にお供えし、遺族で分け合って食べることもあります。これは、故人を偲び、共に食事をするという意味合いがあります。
  • 遺品の整理: 故人が生前大切にしていた品々を整理し、故人を偲ぶ時間とすることも良いでしょう。ただし、無理のない範囲で行うことが大切です。
  • 親族・友人との語らい: 故人を囲んで、思い出話をする時間を持つことも、故人を偲ぶ大切な時間となります。ただし、遺族の負担にならないよう、無理のない範囲で、親しい方々と静かに過ごすのが一般的です。

注意点としては、

  • 服装: 特に服装の規定はありませんが、平服で構いません。ただし、あまり派手な服装は避け、落ち着いた色合いのものを選びましょう。
  • お供え物: 故人の好きだったものや、果物、お菓子などを用意します。ただし、日持ちするものを選ぶと良いでしょう。
  • 無理をしない: 遺族は心身ともに疲れている時期ですので、無理のない範囲で、ご自身のペースで過ごすことが最も重要です。疲れている場合は、休息を優先しましょう。
  • 近所への配慮: 自宅で行う場合、近所の方々にご迷惑がかからないよう、音量などに配慮しましょう。

宗派別のお経の違い

前のセクションでは、お通夜や葬儀といった儀式の意味や流れについて解説しました。ここでは、多くの方が疑問に思われる「宗派によってお経が違う」という点に焦点を当て、それぞれの宗派でどのようなお経が読まれ、どのような意味を持つのかを具体的に見ていきましょう。ご自身の宗派でのお経について理解を深め、故人をより適切に弔うための一助となれば幸いです。

浄土真宗のお経

浄土真宗では、他宗派のように特定の経典を読経することよりも、阿弥陀如来への「帰依」の念を込めて「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えることを最も重要視します。これは「阿弥陀仏に帰依し、その名を称えます」という意味であり、阿弥陀仏の本願によって救済されるという浄土真宗の教えの核心を表しています。そのため、法要や葬儀の際にも、この「南無阿弥陀仏」を唱えることが中心となります。他の宗派で読まれるような、経典の文字を追う読経とは異なり、阿弥陀仏への絶対的な信頼と感謝の念を表現する行為と言えます。

真言宗のお経

真言宗では、弘法大師空海によってもたらされた密教の教えに基づき、多様なお経や真言(マントラ)が用いられます。特に「理趣経(りしゅきょう)」は、秘密の教えを説く重要な経典として位置づけられています。また、「光明真言(こうみょうしんごん)」は、「不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃくかんのんぼさつ)」の真言とも言われ、一切の罪障を消滅させ、光明で世界を照らす力があるとされています。これらの真言を唱えることで、自己の内なる仏性を目覚めさせ、現世での利益や来世での成仏を願うのが真言宗の特徴です。読経は、仏様との一体化を目指すための重要な実践とされています。

曹洞宗のお経

曹洞宗は、禅宗の一派であり、「只管打坐(しかんたざ)」という坐禅を最も重要な修行と位置づけています。お経としては、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」や「観音経(かんのんぎょう)」などが読まれることがあります。「般若心経」は、仏教の空(くう)の思想を凝縮した経典であり、一切の苦しみからの解放を示唆します。「観音経」は、観世音菩薩の慈悲と、人々を救済する力について説かれています。曹洞宗では、これらの経典を読誦することを通じて、自己の仏性を悟り、日々の生活の中で禅の精神を実践することを目指します。

その他の宗派のお経

  • 日蓮宗: 法華経を根本経典とし、「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」という題目を唱えることを最も重視します。これは法華経の教えを信じ、実践することへの誓いを表します。
  • 浄土宗: 法然上人によって開かれた宗派で、阿弥陀仏への往生を願い、「南無阿弥陀仏」と唱えることを中心とします。浄土真宗と同様に、称名念仏が重要視されます。
  • 臨済宗: 曹洞宗と同じく禅宗に属し、「般若心経」などが読まれるほか、公案(こうあん)と呼ばれる禅問答を通じて悟りを目指します。
  • 天台宗: 最澄によって開かれた宗派で、法華経を重んじ、「南無妙法蓮華経」を唱えることもありますが、密教的な要素も取り入れています。

これらの宗派以外にも、それぞれのお経や儀式に独自の解釈や実践方法が存在します。もしご自身の宗派が不明な場合や、特定のお経についてさらに詳しく知りたい場合は、菩提寺や葬儀社に相談することをお勧めします。

7. お経を選ぶ際のポイント

臨終に際し、お経をどのように選ぶか、あるいは誰に読経を依頼するかは、多くの方が迷われる点です。ここでは、お経を選ぶ際の重要なポイントをいくつかご紹介します。これらの点を考慮することで、故人を偲び、冥福を祈るためのお経を適切に選ぶことができるでしょう。

宗派を考慮する

最も重要なのは、ご自身の宗派に合ったお経を選ぶことです。宗派によって、信仰する仏様や教えが異なり、それに伴って読まれるお経も変わってきます。例えば、浄土真宗では「南無阿弥陀仏」、真言宗では「南無大師遍照金剛」といった、宗派独自の真言や念仏が中心となります。菩提寺がある場合は、そちらの宗派のお経に従うのが一般的です。不明な場合は、菩提寺の住職や、葬儀社に相談すると良いでしょう。

故人の遺志や人柄を尊重する

故人が生前、特定の宗派に深く帰依していたり、特定のお経に思い入れがあったりした場合は、その遺志を尊重することが大切です。また、故人の人柄や人生観に合ったお経を選ぶことも、故人への供養の一つとなります。例えば、穏やかな人生を送られた方には、静かで落ち着いた雰囲気のお経が合うかもしれません。逆に、力強く生き抜いた方には、勇壮なお経がふさわしい場合もあります。

読経する場所や状況を考慮する

お経は、葬儀・告別式、法要、あるいは自宅での読経など、様々な場所や状況で読まれます。それぞれの場面にふさわしいお経があります。例えば、葬儀では比較的長めのお経が読まれることが多いですが、自宅での読経や、限られた時間での法要では、より簡潔なお経が選ばれることもあります。また、参列者の構成や、その場の雰囲気に合わせて、お経の長さや雰囲気を考慮することも大切です。

読経する方(僧侶・ご自身)の能力

読経を依頼する僧侶の専門性や、ご自身で読経される場合の慣れや理解度も考慮に入れる必要があります。宗派の教えに精通した僧侶であれば、その宗派ならではのお経を適切に読経してくれるでしょう。ご自身で読経される場合は、無理なく、かつ心を込めて読めるお経を選ぶことが肝心です。最近では、お経のCDや音声ガイドなども利用できますので、参考にすると良いでしょう。

葬儀社や菩提寺への相談

最終的にどのようにお経を選べば良いか迷った場合は、葬儀社や菩提寺の住職に相談するのが最も確実です。長年の経験から、状況に応じた最適なアドバイスをしてくれるはずです。彼らは、宗派のしきたりや、地域ごとの慣習にも精通していますので、安心して任せることができます。

参列者の役割とマナー

ご遺族の悲しみにお寄り添い、故人をお見送りするために、葬儀や法要に参列する際には、いくつかの役割と守るべきマナーがあります。これらを理解し、失礼のないように振る舞うことは、故人への敬意を示すとともに、ご遺族への配慮となります。ここでは、参列者として知っておくべき基本的な役割とマナーについて解説します。

参列者の基本的な役割

葬儀や法要における参列者の主な役割は、故人の冥福を祈り、ご遺族を慰めることです。具体的には、以下の点が挙げられます。

  • 弔意を表す: 故人との生前のご縁に感謝し、冥福を祈る気持ちを表します。
  • ご遺族を慰める: 悲しみの中にいるご遺族に寄り添い、励ましの言葉をかけます。
  • 故人との最後のお別れをする: 故人の顔を拝み、冥福を祈りながら最後のお別れをします。
  • 儀式に協力する: 僧侶の読経や焼香など、定められた儀式に静かに参加します。

葬儀・法要での基本的なマナー

参列する際の服装や持ち物、振る舞いには、いくつかの基本的なマナーがあります。

  • 服装:
    • 男性: 黒のスーツに白無地のシャツ、黒のネクタイ(光沢のないもの)、黒の靴下、黒の靴を着用します。派手な装飾品や、カジュアルすぎる服装は避けてください。
    • 女性: 黒のワンピース、アンサンブル、スーツなどを着用します。肌の露出が多い服装や、派手なアクセサリー(真珠のネックレスは許容される場合が多いですが、一連のものを選びましょう)、濃い色の口紅などは避けます。ストッキングは黒を選びます。
    • 子供: 学生の場合は制服があれば制服を着用します。制服がない場合は、黒や紺、グレーなどの落ち着いた色の服装を選びましょう。
    • その他: 喪章は、主催者から指示があった場合につけます。華美な装飾のバッグや靴、香水の使用は控えます。
  • 持ち物:
    • 数珠: 宗派によって数珠が異なる場合もありますが、一般的には略式の数珠(どの宗派でも使用できるもの)を持参するのが良いでしょう。貸し出しがある場合もあります。
    • 香典: 故人やご遺族への供物料として、不祝儀袋に包んで持参します。金額の目安は、故人との関係性や地域によって異なります。
    • ハンカチ: 涙を拭いたり、汗を拭いたりするために、黒または白の無地のハンカチを用意します。派手な柄や色のものは避けてください。
  • 受付での対応:
    • 受付では、まず氏名と住所を記帳します。その後、香典をお渡しします。香典は、袱紗(ふくさ)に包んで持参し、受付で袱紗から出して渡すのが正式なマナーですが、近年ではそのまま不祝儀袋で渡すことも一般的になっています。
    • 「この度はご愁傷様です」など、お悔やみの言葉を述べます。
  • 焼香:
    • 焼香は、仏様にお供えをするために行います。僧侶がお経を読み上げている間や、順番が来たら、祭壇に進み、ご遺影に一礼し、お焼香をします。
    • 回数: 宗派によって回数が異なります。分からない場合は、周りの人のやり方を参考にしたり、僧侶に確認したりしましょう。一般的には、左手に数珠を持ち、右手の親指と人差し指で香をつまみ、額のあたりまで持ち上げてから香炉にくべます。
  • ご遺族への挨拶:
    • 葬儀の前後などに、ご遺族に「この度はご愁傷様です」などとお悔やみの言葉を伝えます。長話は避け、簡潔に済ませましょう。忌み言葉(重ね重ね、くれぐれも、など)は使わないように注意が必要です。
  • その他:
    • 携帯電話はマナーモードにするか、電源を切ります。
    • 式場内での私語は慎み、静かに過ごします。
    • 飲食の提供がある場合でも、故人やご遺族への配慮を忘れず、落ち着いていただきます。

9. お布施の相場

お布施は、お経をあげてくれた僧侶への感謝の気持ちとしてお渡しするものです。しかし、いくら包むべきか相場が分からず、悩む方も多いでしょう。ここでは、葬儀、法要、戒名など、状況に応じた目安金額と、お布施に関する注意点について解説します。

お布施の金額は、地域や宗派、寺院によって異なります。また、僧侶との関係性や、読経の規模によっても変わってきます。あくまで目安として参考にしてください。

葬儀でのお布施

葬儀でのお布施は、一般的に30万円から50万円程度が目安とされています。これには、通夜の読経、葬儀・告別式の読経、戒名の授与などが含まれることが多いです。ただし、戒名の位によって金額が大きく変動する場合もあります。

法要でのお布施

法要でのお布施は、初七日法要、四十九日法要、一周忌法要などの節目で異なります。

  • 初七日法要・四十九日法要: 5万円から10万円程度が目安です。
  • 一周忌法要: 5万円から10万円程度が目安です。

戒名でのお布施

戒名を授かる際のお布施は、戒名の位によって異なります。一般的には、数万円から数十万円程度が目安ですが、これも寺院によって大きく差があります。

お布施に関する注意点

お布施をお渡しする際には、いくつかの注意点があります。

  • 表書き: 白無地の封筒に入れ、「御布施」と表書きします。名目は、お寺の指示に従うのが一般的です。
  • 渡し方: 僧侶が帰られる際、位牌や遺骨をお渡しするタイミングで、袱紗(ふくさ)に包んでお渡しするのが丁寧です。
  • お釣りの準備: お布施は、お釣りのないように準備するのがマナーです。
  • 不明な点は確認: 金額や渡し方など、不明な点があれば、事前に菩提寺や葬儀社に確認することをおすすめします。

よくある質問

これまでに解説してきた内容を踏まえ、読者の皆様が抱きやすい疑問点について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。臨終後の対応から、お通夜・葬儀・法要の流れ、お経、参列時のマナーまで、幅広くカバーします。

Q1. 臨終直後にまず何をすれば良いですか?

A1. まずは、医師による臨終の確認を受けてください。その後、ご遺族は悲しみに暮れる間もなく、関係各所への連絡や、葬儀社への連絡、納棺の準備など、やるべきことが多くあります。落ち着いて、一つずつ丁寧に対応していくことが大切です。具体的な対応については、「1. 臨終を迎えた際の対応」で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。

Q2. お通夜と葬儀、初七日、3日参りは、それぞれどのような意味があるのでしょうか?

A2. それぞれの儀式には、故人の冥福を祈り、遺族を支えるための大切な意味があります。

  • お通夜: 故人の冥福を祈り、夜通し故人に寄り添う儀式です。最近では半通夜(夕方から数時間)が一般的です。
  • 葬儀: 故人の霊を弔い、冥福を祈る儀式です。
  • 初七日法要: 故人が亡くなってから7日目に行われる法要で、故人の生前の罪を償い、極楽浄土へ行けるように願うものです。最近では葬儀当日に繰り上げて行われることも多いです。
  • 3日参り: 故人が亡くなってから3日目に行われる、故人の遺骨や位牌の前で供養を行う儀式です。こちらも初七日と同様に、故人の冥福を祈る意味合いがあります。

それぞれの意味や流れについては、「2. お通夜とは?意味と流れ」「3. 葬儀とは?意味と流れ」「4. 初七日法要とは?意味と流れ」「5. 3日参りとは?意味と過ごし方」で詳しく解説しています。

Q3. 宗派によってお経は違うのですか?

A3. はい、宗派によって読まれるお経や、儀式の進め方が異なります。例えば、浄土真宗では「南無阿弥陀仏」の念仏が中心となるため、他宗派のような複雑なお経を読まない場合があります。真言宗では「般若心経」がよく読まれますが、宗派ごとに独自の経典や真言も存在します。ご自身の宗派に合ったお経や作法を知ることは、故人を適切に弔う上で非常に重要です。「6. 宗派別のお経の違い」で、主要な宗派ごとの特徴を解説していますので、参考にしてください。

Q4. お経を選ぶ際に、何かポイントはありますか?

A4. お経を選ぶ際には、まずご自身の宗派を確認することが最も重要です。その上で、菩提寺(お寺)がある場合は、ご住職にご相談するのが一番確実です。ご住職は、宗派の教えに基づいた適切な経典や、故人の人柄、遺族の意向に沿ったお経を選んでくださいます。もし菩提寺がない場合や、自分で選びたい場合は、「7. お経を選ぶ際のポイント」で、一般的な選び方や注意点について解説しています。

Q5. 葬儀や法要に参列する際、どのようなマナーに注意すれば良いですか?

A5. 葬儀や法要に参列する際は、喪服を着用し、数珠を持ち、焼香を行います。言葉遣いにも注意が必要です。「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉や、「死ぬ」「苦しむ」などの直接的な表現は避けるのが一般的です。また、香典の準備や、受付での対応なども、事前に確認しておくと安心です。「8. 参列者の役割とマナー」で、具体的なマナーについて詳しく解説していますので、ご確認ください。

Q6. お布施はどのくらい包むのが一般的ですか?

A6. お布施の金額は、地域や宗派、寺院、葬儀の内容などによって大きく異なります。一概に「いくら」と断言することは難しいですが、一般的には葬儀や法要の読経、戒名などの対価として渡されます。「9. お布施の相場」では、一般的な目安や、金額を決める上での考え方について解説しています。迷った場合は、事前に菩提寺のご住職に相談するか、葬儀社に確認することをおすすめします。

Q7. 3日参りとは、具体的にどのようなことをするのですか?

A7. 3日参りは、故人が亡くなってから3日目に行われる、遺骨や位牌の前で供養を行う儀式です。遺骨が自宅に安置されている場合、その遺骨や位牌に向かって手を合わせ、故人の冥福を祈ります。お経を読んだり、お花やお供え物をしたりすることもあります。形式に決まりはありませんが、故人を偲び、静かに手を合わせる時間を持つことが大切です。「5. 3日参りとは?意味と過ごし方」で、その意味や過ごし方について詳しく解説しています。

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