葬儀とは、故人の家族や友人、知人が集まって故人を弔う儀式です。
現代では、高齢化や核家族化に加え、コロナウイルスの流行によって簡潔に葬儀を執り行う家族葬が急激に増えています。
この記事では、家族葬と葬儀の費用を低予算に抑える方法や注意点について解説します。

一般葬と家族葬の違い

家族葬は一般葬と比べ、家族の事情や思いが葬儀に反映しやすい点が大きな違いです。
それぞれの特徴を解説します。

一般葬|友人・同僚が参列する葬儀

一般葬とは、故人が生前に縁のあった幅広い人々が参加する形式の葬式です。一般葬の参列者は、家族や親族のほか、友人・知人・同僚などです。故人の人づきあいが広ければその分多くの人が参列し、参列者が100名を超える大規模な葬儀になる場合もあります。

一般葬では基本的に、お通夜・葬儀・告別式を2日間かけて行います。従来のしきたりに則った葬儀です。

お通夜では、遺族と参列者が食事をしながら故人を偲び、別れの時間をともにします。

家族葬|家族・親族のみで執り行う葬儀

家族葬には、家族や親族、故人と親しい人のみが参加します。参列者は10人~30人程度と少人数で、規模の小さな葬儀です。

葬儀の流れは基本的に一般葬と同様で、お通夜・葬儀・告別式を2日間かけて行います。一般葬と比べて自由度が高く、一部の儀式は省略も可能です。

また、一般葬に比べて参加人数が少ないため、その分予算を抑えられます。

家族葬の費用を構成する内訳と相場

家族葬にかかる費用の平均相場は110万円ほどといわれています。ご遺族の希望次第で料金が変動するため、項目の内訳を解説します。

葬儀一式費用|40万円〜50万円程度

葬儀一式費用は、各儀式やご遺体の保全などにかかる費用です。細やかなものが多く、葬儀費用全体の大部分を占めます。40万円~50万円程度が相場です。

葬儀一式費用のかかる品目は以下の通りです。
・儀式前から必要な旅支度一式・棺・枕飾り・お線香やろうそく・ドライアイス

・祭壇を飾るための土台・生花・遺影・供物・果物盛り

・葬儀の受付備品

・骨壷・骨箱・位牌・自宅祭壇・火葬

・スタッフの人件費

施設・車両使用料|10万円〜20万円程度

施設・車両使用料の相場は10万円~20万円といわれています。費用をかける場合、金額の張る内容が多い項目です。

施設・車両使用料として費用のかかる品目は以下の通りです。
・安置所の使用(日数に応じて費用が加算)

・搬送車両(病院〜安置所・安置所〜葬儀場・葬儀場〜火葬場)

・葬儀場の会場・控室

・参列者が乗る葬儀場〜火葬場の往復バス

搬送車両や火葬場までの往復バスは、距離に応じて料金を加算されるケースが多数です。

飲食代|20万円程度(変動型)

飲食代の相場は20万円程度といわれていますが、参列者の人数に応じてかかる費用は変動します。飲食代がかかる品目は以下の3点です。

・通夜振舞い
通夜の参列者に対して振る舞う食事をさします。通夜振舞いの相場は1人につき2,000円~3,000円です。

・精進落とし
忌明けに食べる食事で、相場は1人あたり3,000円~5,000円といわれています。僧侶・親族・故人と親しい人が参加するため、用意が必要な人数は少ないことが一般的です。

・食事をとる会場費

返礼品|20万円程度(変動型)

返礼品の相場は20万円程度といわれていますが、飲食代と同様、人数に応じて変動します。

・会葬返礼品
葬儀の参列者に当日渡す品物で、葬儀に参列していただいたことへのお礼の気持ちを示すものです。1人あたり500円~1,500円程度が相場といわれています。

・香典返し
香典を受け取った方に対し渡す品物で、一般的に四十九日の後に渡されます。相場は1つあたり2,000円~5,000円です。

お布施|10万円程度(変動型)

お布施とは、故人を供養していただいた僧侶への謝礼です。相場は10万円ほどといわれていますが、お礼として包むものであるため、ご遺族の意向や事情などに左右されます。

法事・法要・納骨ごとにお渡しすることが一般的です。料金を決めている僧侶もいれば、特に決めていない僧侶もいます。
お布施で包む金額は宗派や地域にもよるため、同じ宗派の地域の方に伺うことをおすすめします。

葬儀の費用を低予算に抑える方法3つ

葬儀費用は高額で、すぐにまとまったお金の用意が難しい場合もあります。ここからは、葬儀の費用を低予算に抑える方法を3つご紹介します。

①参列者を限定する

家族葬の参列者は訃報を知らせた人に限られ、参列する人数に明確な規定はありません。
人数を減らすと、用意する食事や返礼品の数も減るため費用を抑えられます。

また、参列者が多いと祭壇の見た目にも気を遣ってしまう傾向にあり、豪華な祭壇にするほど費用もかさみます。参列者を限定すると、装飾を最低限にして費用の抑制が可能です。

さらに家族や親族のみであれば、火葬場まで自家用車で往復できるため、車両代に費用をかけずに済みます。

②自宅や公営斎場で葬儀を行う

会場費は葬儀費用で占める割合が大きい品目です。参列者が少ない場合は自宅でも葬儀を執り行えます。

また、公営斎場も選択肢のひとつです。公営斎場は複数の市町村で運営・管理をしており、その自治体に住所のある故人の葬儀であれば民間斎場より安価に利用できます。火葬場が併設されている斎場も多いため、移動にかかる費用も抑えられます。

公営斎場の数は少なく利用者が多いため、予約が取りづらい点に注意が必要です。

③祭壇や備品などのグレードを下げる

葬儀プランのグレードを下げることも費用を抑える手段のひとつです。グレードを下げられる項目は、祭壇の大きさ・生花の種類・果物盛り・骨壷・飲食などです。

一般的に葬儀一式の項目はベーシックプランが決まっており、細かな項目ごとにグレードを決定できる葬儀社も多く存在します。

飲食もグレードを下げられますが、親しい友人や知人などの親族以外の参列者がいる場合には下げないことをおすすめします。

低予算で執り行う場合に注意するポイント2つ

低予算で葬儀を執り行う場合、注意しておきたいポイントがあります。ここからは、そのポイントを2つご紹介します。

①複数の葬儀社から事前に見積りを取る

近親者が亡くなり医師に死亡判定をしていただいた後、ご遺体を迎えるためには葬儀社に連絡して搬送してもらう必要があります。ご逝去から葬儀社への連絡まで時間がありません。
同程度のグレードでも、費用は葬儀社ごとに違います。納得のいく葬儀を執り行うためにも、突然の場合を除き、複数の葬儀社から見積もりを可能な限り事前に取って比較しましょう。

②費用に含まれるもの・含まれないものを確認する

多くの葬儀社がベーシックプランを設けていますが、プランの費用に含まれるもの・含まれないものは葬儀社ごとに違いがあります。プランに含まれる項目は、見積もりを取ったタイミングで比較しましょう。費用を抑えるために、何らかの項目を削ったりグレードを下げたりしているためです。
葬儀社が決まっても、支払いをするまで内容の細かな確認がおすすめです。

費用が決まるタイミングと支払い方法

葬儀費用は高額で、特に急な葬儀では慌ててしまいがちです。安心して葬儀を執り行えるよう、ここからは、費用が決まるタイミングと支払い方法をご紹介します。

葬儀前に見積りを算出

大まかな費用が決定するタイミングは葬儀の前です。ご遺体を安置所へ搬送した後、葬儀社とご遺族で打ち合わせをします。

葬儀一式のプラン・オプション・大まかな参加人数などの擦り合わせをし、それをもとに葬儀社が見積もりを算出します。

一部を除いて葬儀後に費用確定・支払い

葬儀費用は一部を除き、葬儀の後に確定して支払います。多くの葬儀社では、支払期限を葬儀が終わってから1週間~10日後に設定しています。一般的な支払方法は、銀行振込もしくは集金です。クレジットでの支払いに対応している葬儀社もあります。飲食代や返礼品など、費用が変動する項目もあるため、支払い方法も事前に調べておくとよいでしょう。

葬儀の当日に全額の支払いを求められることはありませんが、前金の支払いが必要な葬儀社もあるため、注意が必要です。また、お布施も当日支払うものがあります。前金と併せ、ある程度まとまった現金が必要です。

まとめ

家族葬と葬儀で費用を低予算に抑える方法、注意点をご紹介しました。家族葬では、低予算でも納得のいく葬儀を執り行えます。

「ライフサポート」では家族葬を丁寧にサポートいたします。福岡県福岡市内で家族葬をご検討される場合、ぜひ「ライフサポート」にお任せください。