家族や親族、特に親しかった友人など、故人と特に近しい関係の人のみが参列して小規模で執り行われる家族葬。近年、新たな葬儀形式として注目を集めてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、より家族葬が増えてきました。

新たな葬儀形式ということもあり、家族葬のマナーについて知りたいという方も少なくありません。特に、家族葬での喪主の挨拶に悩む方も多いでしょう。

そこで今回は、家族葬における喪主の挨拶のタイミングや話す内容、注意点をご紹介します。

家族葬|喪主による挨拶の必要性とは?

一般葬では、親族の一人が代表で喪主となり、葬儀の際に参列者に挨拶をします。喪主の挨拶は、身内のみの家族葬でも行われるのが普通です。これは、喪主が葬儀を執り行う親族の代表という役割だからです。

喪主は、葬儀に参列した方への挨拶はもちろん、参列者の選定や葬儀日程の調整、葬儀会社や菩提寺などとの連絡及び調整などもします。つまり、家族葬であっても葬儀を円滑に行うために喪主は必要であり、葬儀の際の喪主の挨拶も必要です。

喪主の挨拶に関する注意点

喪主の挨拶にも複数のマナーがあります。その中で、特に注意したい点は挨拶の所要時間、声量と話すテンポ、忌み言葉の使用です。

ここからは、それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

所要時間

喪主の挨拶は、長すぎず短すぎない2〜3分程度がベストです。なぜなら、短すぎると素っ気ない印象を与えてしまい、長すぎると特に会食前は料理が冷めてしまうからです。長くても5分以内に収めるように意識して挨拶しましょう。

なお、家族葬は一般葬に比べて所要時間を意識しすぎる必要はありません。なぜなら、参列者は身近な間柄の人ばかりだからです。その場の状況に応じて短くしたり、思い出話を語ったりなど臨機応変に対応しましょう。

声量と話すテンポ

声量と話すテンポにも注意が必要で、ゆっくりと大きな声で話しましょう。ゆっくりと話す理由は高齢者にもわかりやすいように、大きな声で話す理由は参列者全員に話が聞こえるようにするためです。

マイクがある場合は口をしっかりとマイクに近づけて、大きな声でゆっくりと話すことを意識しましょう。

忌み言葉を使用しない

家族葬に限らず、喪主の挨拶では忌み言葉を使わないようにしてください。なぜなら、忌み言葉は葬儀全体において失礼な言葉にあたるからです。

忌み言葉とは、具体的に以下の言葉などのことを指します。

・重ね重ね

・たびたび

・いろいろ

・さまざま

・みなみなさま

・ときどき

・再三

・くれぐれも

例えば、「重ね重ね感謝申し上げます」ではなく「深く感謝申し上げます」など、失礼にならない他の言葉を使うようにしましょう。

喪主の挨拶に含めるべき内容

喪主の挨拶では、以下の内容を含めるようにしましょう。

・故人と喪主の関係性

・通夜や葬儀に参列していただいた方への御礼

・故人との生前の付き合いへの御礼

・今後も故人に対して変わらぬお付き合いをしていただくためのお願い

上記の内容を含みながら、時間がある場合は故人との生前の思い出話やその後の葬儀の流れを説明します。

喪主の挨拶は複数回行う場面があります。家族葬の場合、参列者の顔ぶれが同じ場合も多いため、同じ顔ぶれの場合は内容を省略しても構いません。ただし、2回目以降であっても必ず参列者への御礼は伝えましょう。

家族葬|喪主挨拶をすべきタイミングと実際に使える例文

家族葬で、喪主が挨拶をするタイミングは主に以下の通りです。

・参列者をお迎えする際

・僧侶にお越しいただいた際

・お通夜での席

・お通夜振る舞いでの席

・告別式の出棺式前

・精進落としでの席

ここからは、それぞれのタイミングでの挨拶例をご紹介します。

参列者をお迎えする際

まずは、参列者をお迎えする際に一人ひとり挨拶をします。長々と話す必要はなく、軽くお礼を伝えましょう。

参列者をお迎えする際は、以下のような挨拶をするのが一般的です。

「本日はご多用の中参列いただきありがとうございます。

生前は○○が大変お世話になりました。」

僧侶にお越しいただいた際

僧侶にお越しいただいた際も、僧侶がお見えになったタイミングで挨拶をします。僧侶にお越しいただいた際は、以下のように挨拶しましょう。

「本日はご足労いただき感謝申し上げます。

予定通り通夜(葬儀)を執り行います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

なお、挨拶と共にお布施もお渡しします。お布施とは、僧侶への御礼にお渡しするお金のことです。お布施は直接手渡しするのではなく、切手盆という小さなお盆のようなものに乗せるか、袱紗の上に乗せてお渡ししましょう。

お通夜での席

お通夜での挨拶は、僧侶の読経やご参列者の焼香などを終え、僧侶が退場した後に行います。お通夜での挨拶には、以下の内容を盛り込んで挨拶しましょう。

・参列いただいたことへの感謝

・通夜振る舞いのご案内

・告別式のご案内

上記の内容を含めた挨拶の例文は以下の通りです。

「本日はご多用のところ、ご参列いただきましたこと誠に感謝申し上げます。

○○もさぞ、喜んでいることと思います。

去る○月×日、〇〇は息を引き取りました。享年○○歳でした。

生前は皆様にご厚誼を賜りましたこと、深く感謝しております。

今後も、故人の生前同様のご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。

明日の葬儀は○○斎場にて○時より行う予定でございます。何卒よろしくお願いいたします。

・通夜振る舞いがある場合の挨拶

あちらのお部屋にて、お食事の席をご用意しております。

故人を偲びながら、ぜひお召し上がりください。

・通夜振る舞いがない場合の挨拶

本来ならここでお食事をご用意し、故人を偲ぶひと時を過ごしていただくところではございますが、都合により用意できておりません。

何卒ご了承ください。

改めまして、本日はご参列頂き誠にありがとうございました。

どうぞ、お気をつけてお帰りください。」9

お通夜振る舞いでの席

お通夜振る舞いを行う場合、お通夜振る舞いの前と最後に喪主が挨拶をします。ただし、家族葬の場合は翌日の葬儀に参列する顔ぶれが同じであることがほとんどのため、挨拶は省略しても構いません。また、地域によってはお通夜振る舞いでの挨拶をしない場合もあるため、地域に合わせて挨拶の有無を判断しましょう。

なお、お通夜振る舞いで挨拶する際の例文は以下の通りです。

「本日はお暑い(寒い)中、○○のためにご焼香を賜りましたこと、誠に感謝申し上げます。

また、故人が生前に賜りましたご厚誼に対しましても、心からお礼を申し上げます。

ささやかではございますが、別室にて食事をご用意しております。お時間の許す限り、どうぞゆっくりとお過ごしください。」

告別式の出棺式前

告別式の出棺式前の挨拶は、お通夜での挨拶よりも長めに話すことが多いです。とはいえ、家族葬の場合は簡単な挨拶にまとめても構いません。

告別式の出棺式前の挨拶の例文は以下の通りです。

「本日はご多用の中ご参列頂きまして、誠にありがとうございます。

故人も、こうして皆様にお集まりいただきましたこと、さぞかし喜んでいることと存じます。

○○は多くの趣味を持ち、良い仲間にも恵まれ、仕事を定年で退職してからも、好きなことを楽しむことができました。

○○がこのような晩年を送れたことも、ひとえに皆様方のおかげです。

誠にありがとうございました。」

精進落としでの席

火葬後に精進落としがある場合は、食事前に挨拶をします。精進落としでの席の挨拶は、料理が冷めないように短くまとめましょう。

精進落としでの挨拶の例文は以下の通りです。

「本日はご多用の中、○○のためにお集まりいただきましたこと、心から感謝申し上げます。

おかげさまで、つつがなく葬儀を終えることができました。

最後に、ささやかではございますが、精進落としの席をご用意しましたので、お時間の許す限りどうぞおくつろぎください。」

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