故人が亡くなった日から1年後に執り行われる一周忌。しかし、一周忌を執り行う場合や参列する場合に何を用意すれば良いかわからないという方も少なくありません。

そこで今回は、一周忌に施主、参列者がそれぞれ用意すべきものについて、香典袋の書き方や一回忌との違いなどと共に解説します。

 

一周忌とは

一周忌とは、故人が亡くなった満一年の命日に執り行われる年忌法要のことです。一周忌には、故人の親族や友人、知人などが菩提寺に集まって故人を偲び供養します。そのため、菩提寺の住職に読経していただいたりお焼香が行われ、その後にはお墓参りやお斎(おとき)と呼ばれる会食も行うことが一般的です。

一回忌との違い

一周忌は故人が亡くなって満一年が経過した日のことを指します。一方で一回忌は故人が亡くなった日のことを指します。つまり、故人が亡くなった一年後に行われる法要は「一回忌」とは呼ばず、正確には「一周忌」であるため混同しないようにご注意ください。

 

施主が一周忌に用意するもの

一周忌では、施主及び参列者でそれぞれ用意するものが異なります。そこでまずは、施主が一周忌に用意するものをご紹介します。

 

一周忌における施主の持ち物

施主が一周忌に用意するものは以下の通りです。

  • 個人の遺影と位牌
  • お供物
  • 僧侶の方にお渡しするお金(お布施)
  • 袱紗または切手盆
  • 引き出物
  • 飲み物(御茶等)
  • 数珠
  • ろうそくとお線香
  • 火を点けるもの

遺影は、葬儀に使用したもので構いません。また、お供物は必ず必要というわけではありませんが、可能な限り持参しましょう。なお、お供物を選ぶ際は果物やお花、お菓子等の消えものや日持ちするものを選びましょう。

さらに、読経もするため必要な場合は経本もご持参ください。

引き出物・お返しの品

一周忌における引き出物及びお返しの品は、のしに「ー志」または「粗供養」と記載して参列者にお渡しします。

引き出物及びお返しの品をお渡しするタイミングは、お斎の後またはお帰りの際が一般的です。お斎をホテルなどで行う場合は、事前に従業員に伝えておけば参列者が席を立つ前に渡してくれる場合もあります。

引き出物及びお返しの品は、お菓子や食品はもちろん消えものではなくても構いません。ただし、お持ち帰りいただく際に荷物になってしまうような、重いものや大きいものは避けましょう。

 

引き出物の料金相場

引き出物の費用相場は、御仏前とお供えの合計額に対してお斎と引き出物の合計額が5〜7割程度になることが目安です。例えば、御仏前とお供えの合計額が4万円だった場合、引き出物は5千円〜1万円程度、お斎は1万5千円前後が相場です。

 

参列者が一周忌に用意するもの

次に、参列者が一周忌に用意するものは以下の通りです。

  • 香典
  • 袱紗
  • お供物
  • 数珠
  • 経本

なお、香典をお渡しする際は袋の向きを表にして手渡しで渡します。渡すタイミングは会場に到着してすぐです。渡す直前に袱紗から出しておきましょう。

ここからは、お供物の詳細と香典袋の書き方や袱紗の包み方、香典相場を詳しく解説します。

 

お供えもの

お供物をお渡しする際は、黒白・双銀・黄白いずれかの結び切りののし紙を使います。水引の色は関東や関西など地域によって異なり、関東は黒白の水引、関西は黄白の水引を使うことが多いとされています。

のし紙の表書きについては、上部に「御供」と書いて下部に名前をフルネームまたは苗字で書きましょう。

なお、のしのかけ方にもマナーがあり、一周忌に出席して直接お渡しする場合は「外のし」、一周忌に出席せず郵送でお渡しする場合は「内のし」にしてください。

 

一周忌の香典袋

次に、一周忌における香典袋について詳しく解説します。

まず、一周忌の香典袋の選び方は金額や宗派によって異なります。例えば、仏式の場合は、5,000円前後の香典であれば水引が印刷されている略式の香典袋、1万円〜3万円前後の香典であれば白黒の水引をかけた香典袋、3万円〜5万円前後の香典であれば双銀の水引がかかった香典袋を選びます。

 

香典袋は故人が信仰していた宗教に合わせることがマナーです。例えば、仏教を信仰していた場合はハスの花、キリスト教を信仰していた場合はユリの花がデザインされた香典袋を選びましょう。

 

宗派別ー香典袋の表書き

香典袋の選び方同様、香典袋の表書きも故人が信仰していた宗教に合わせます。

 

例えば、仏教を信仰していた場合は表書きの上部に「御仏前」「御佛前」「御香料」「御香典」等と書きますが、神道であれば「玉串料」「御榊料」「御神前」、キリスト教であれば「御花料」「御ミサ料」「御霊前」と書きます。ただし、「御ミサ料」と「御霊前」はカトリック系にしか使えないため、基本的には「御花料」が良いでしょう。

このように、香典袋の表書きは故人が信仰していた宗教及び宗派によって異なるため、香典を包む前にあらかじめ確認しておきましょう。

 

表書きの下段ー名前の書き方

香典袋の表書きの下段には自分の名前をフルネーム、または苗字や下の名前のいずれかで書きます。四十九日以前は薄墨を使いますが、四十九日を過ぎると通常の濃さの筆記具で名前を書きます。

ただし、香典は個人でお渡しするだけではなく、夫婦で、会社や団体でなど複数人でまとめてお渡しする場合もあります。複数人でお渡しする場合の主な書き方は以下の通りです。

 

  • 夫婦の連名

故人と夫婦で関係があった場合は連名でお渡しします。ただし、夫の名前だけでも構いません。

  • 友達など複数人で渡す場合

三人までは横に全員の名前を並べて書きますが、四人以上の場合は「〇〇一同」と書いて名前を省略します。

  • 会社や団体で渡す場合

「〇〇有志」や「〇〇会社総務部一同」と一同の名前を書きます。参列者名簿には全員の名前を書きましょう。

 

他にも、夫婦のどちらかが代理で参列する場合は、夫の名前を書いた下にやや小さめの文字で「内」と書きます。また、香典袋には基本的に現在の名前を書くことがマナーですが、旧姓でないと故人との関係がわからないという理由から旧姓を記入したい場合には、現在の名前の左下にやや小さめの文字で「(旧姓〇〇)」と書きましょう。

 

香典の中袋

香典の中袋とはお金を入れる袋のことで、表面に金額、裏面に郵便番号・住所・名前を書きます。

中袋の表面に書く金額は旧漢数字を使って縦書きで書き、金額の前には「金」を入れるのがマナーです。例えば、3,000円であれば「金参仟圓」、10,000円であれば「金壱萬圓」と書きます。

 

また、お札の向きにもマナーがあります。香典の中袋に入れるお札は、中袋の表面に対してお金が裏面になるように入れます。敢えて裏面になるように入れることで、「お悔やみのため顔を伏せる」という意味になります。

 

一周忌の香典相場

一周忌の香典に包む金額は、故人との関係性によって異なります。主な関係性と費用相場は以下の通りです。

  • 両親 3〜10万円
  • 兄弟姉妹 3〜5万円
  • 祖父母 1万円
  • 叔父叔母 1万円
  • 友人や知人またはその家族 5千円〜1万円
  • 上司、同僚、部下 3千円〜1万円
  • 取引先 5千円〜1万円
  • 近所 3〜5千円

なお、一周忌の香典は、新札ではなく古札を包みましょう。

 

袱紗(ふくさ)で香典袋を包む方法

香典は袱紗に包んで持参し、渡す直前に袱紗から出して手渡しでお渡しします。香典袋を袱紗に包む理由は、香典袋や水引が汚れるのを防ぐためです。

香典袋の包み方にもマナーがあり、袱紗を左開きに包みます。

 

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